食鳥検査
食鳥検査の手引き=カラーアトラス=(第3版)
安全で衛生的な食鳥肉を消費者に提供するため、平成4年4月から開始された食鳥検査制度は30年が経過しました。
現在、一般社団法人岩手県獣医師会では、岩手県内すべての食鳥処理場における食鳥検査を岩手県及び盛岡市から受任して検査を実施しています。
「食鳥検査の手引き=カラーアトラス=」は、食鳥検査の平準化を図るとともに、検査現場で疾病を判断する際の導きとなるよう作成したものです。本書は平成25年と平成30年に見直しを行ってきましたが、前回から約5年が経過した本改訂では、前回の改訂後に内容が整理された疾病や肉眼病変の理解を促す組織写真の追加、各疾病の説明文を補足する参考文献の付記などを主な見直し内容としています。また、あひるの真菌症では、従前のアスペルギルス性気嚢炎、肺炎に加えて接合菌性皮膚炎にも言及しました。
本改訂では、より食鳥検査現場の実態に即し、現場で利用し易い内容とするため、食鳥検査経験の豊かな検査員と経験の浅い検査員を構成員とするワーキンググループを立ち上げ、様々な観点から議論を重ねるとともに、各検査室検査員とも頻繁に意見交換を行い、有意義な提言や必要な写真の撮影協力を得ました。また、貴重なご助言を頂いた岩手県及び盛岡市、並びにご多忙な中、懇切丁寧な監修を賜った御領政信岩手大学名誉教授に深く感謝申し上げます。
本書は、今後も新たな知見の追加や法改正に伴う記載の整合性を図るなど、逐次必要に応じた見直しを行い、内容を充実させていくこととします。
今回改訂した「食鳥検査の手引き=カラーアトラス=」が検査員をはじめ食鳥処理衛生管理者の方々に活用され、本県から提供される食鳥肉の安全性がさらに確保されるよう、検査技術の向上を図っていく所存です。
令和5年4月
一般社団法人岩手県獣医師会
食鳥検査センター
所長 白岩 利惠子